任意保険の対人賠償保険とは

対人賠償保険とは

対人賠償保険は、対人保険や対人賠償責任保険とも呼ばれています。

 

車両保険等は入らなくてもいいですが、 対人賠償保険や対物賠償保険は、任意保険では必ず入らなければいけない保険になっています。

 

車は強制保険の自賠責保険に入っていれば、車は運転することはできますが、自賠責保険の補償額の限度額は、死亡3,000万円、後遺障害4,000万円、傷害120万円となっており、最近の裁判の判例賠償額を見ても十分な補償とは言えません。

 

ちなみに、対人賠償保険の加入率は、約73%です。27%もの人が対人賠償保険に入っていないことになりますが、自動車共済に入っている人もいますので、その分が差し引かれています。

 

対人賠償保険の補償額について

 

あなたの保険証を見ていただければわかると思いますが、たぶん対人賠償保険の補償額は「無制限」になっているはずです。死亡事故や後遺障害が発生する事故の場合、損害賠償額が1億円を超えることも珍しくありませんので、無制限に補償されないと入る意味がありません。人数も無制限でなければいけません。

 

事故を起こした時にどれくらいの損害賠償になるのかは、死傷させてしまった人の年収や年齢(逸失利益)によって変わってきますが、働き盛りの20代〜40代の人の場合、億単位になるのが一般的です。

 

人の一生の収入金額は普通のサラリーマンで3〜5億円と言われています。
その中から、本人の生活費などを差し引いた金額が補償金額となるわけですから、働きさかりの人が被害者の場合は、今や億単位が当たり前の時代になってます。

 

過失割合で保険金額が変わる

 

任意保険で受け取る保険金額は、事故の過失割合によって変わってきます。被害者の損害額が3億円と認定された場合でも、被害者に過失がある場合には、過失割合に応じた額が減額されます。

 

交通事故の死亡・後遺症賠償額の高額ランキング(2013年)

 

裁判例に見られる交通事故の死亡・後遺症賠償額の高額ランキングトップ30の集計がまとまりました。
最高額は、平成23年11月1日に判決(横浜地裁)が出た人身総損害額5億843万円の事案で、3年前の平成22年に発表された最高額と比べ、一気に1億4,087万円上昇しました。高額例の特徴としては、事故当時の被害者の年収の高さ、年齢の若さと後遺障害状態(脳に外傷性の損傷を受け、介護の必要となる期間が長い)等が挙げられます。(保険の窓口より引用)

 

1位 5億843万円死亡

 

判決:平成23年11月1日 横浜地裁/被害者:41歳男性、眼科開業医
歩行者横断禁止規制のある国道を酩酊して横断を開始し第一車線中央付近で立ち止まっていた被害者に走行中のタクシーが衝突し、死亡させた。被害者に60%の過失を認定

 

2位 3億7,829万円後遺症

 

判決:平成23年2月18日 名古屋地裁/被害者:21歳男性、大学3年生
大学の授業終了後、別の駐車場に駐車している被害者等を送り届けるため、加害者の乗用車に5人が搭乗する際、被害者が自らボンネット上にうつ伏せになって乗った。加害者は乗用車を発進させゆっくりした速度で走行していたが、ハンドルを左に切った際、被害者がボンネットから転落して路面に頭部が打ちつけられた。
被害者は遷延性意識障害の後遺症を残す重篤な症状となった。
ボンネットに乗るという危険な乗車方法に対し、被害者に20%の過失を適用した。

 

3位 3億6,756万円後遺症

 

判決:平成17年5月17日 名古屋地裁/被害者:33歳男性、会社員

 

第一車線の右寄りを走行していた被害者運転のバイクと、第二車線から第一車線に車線変更し交差点を左折しようとした乗用車が衝突し、被害者が高位頸髄損傷を被り、四肢完全麻痺と呼吸器系に重大な障害を残した。被害者の過失は5%が適用

 

これは、高額な損害賠償判決が出た判例です。死亡よりも重い後遺障害の方が高額になる傾向がありますが、3億円を超える例も少なくありません。

 

自賠責保険で補償されるのは、死亡3,000万円、後遺障害4,000万円までですので、3億8000万円もの損害が認定された場合、3億5000万円は自分で負担しなければなりません。お金持ちなら別ですが、普通の人が負担できる額ではなく、対人賠償保険に入っていないと人生が終わってしまいます。

 

対人賠償保険の補償範囲

 

対人賠償保険は、「他人」に対する補償です。事故によって相手を死傷させてしまった時に保険金が支払われます。運転者本人はもちろん補償されませんが、他にも補償されない人がいます。

 

自賠責保険の場合、運転者と運行供用者以外が補償されますので、配偶者や家族を轢いてしまった場合でも補償されますが、任意保険では以下の人が補償されません。

 

記名被保険者
記名被保険者の配偶者
記名被保険者または配偶者の同居親族記名被保険者または配偶者の別居の未婚の子
許諾被保険者
記名被保険者の使用人

 

例えば、祖父が孫を轢いて死亡させてしまうような事故がニュースになることがありますが、同居親族による事故の場合、任意保険から保険金は受け取れないことになります。